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はじめに|訪問介護における「接遇」の重要性

訪問介護は、利用者の「生活の場」である自宅に入って支援する特別な仕事です。
例え介護技術が優れていても、「なんとなく感じが悪い」と思われてしまうと、関係構築は難しくなり日々の支援もうまくいかなくなってしまいます。
「この人なら家に入ってきても心地よい」
「この人となら気持ちよく日々を過ごせる」
そう思っていただけるかどうかが“接遇の力”です。
『もし自分の家に毎日誰かが来るとしたら、どんな人を迎え入れたいか?』
まずはそんな目線で、自分の接し方を振り返ってみましょう。
接遇とは?|訪問介護での定義と役割
まず接遇とは、思いやりを持って相手に安心感・心地良さを与える接し方のことです。
訪問介護では、利用者や家族はもちろん、サービス提供責任者や他の職員とも接遇を意識することが大切です。
訪問介護は一人で完結する仕事ではなく、多くの人との連携の中で成り立っています。
だからこそ、職員間の“接遇マナー”も大切な業務の一部となります。
接遇マナーの5つの基本|すぐに見直せる具体例つき
▼接遇で大切にしたい基本は、以下の5つです。
項目 | ポイント(要点) |
---|---|
挨拶 | 明るく丁寧な挨拶は、信頼関係づくりの第一歩。 |
言葉遣い | 敬意のある丁寧な言葉は、相手に安心感を与える。 |
表情 | 穏やかな笑顔は、緊張をほぐし安心感を生む。 |
態度・所作 | ゆっくり落ち着いた動きが、信頼と安心感につながる。 |
身だしなみ | 清潔感ある服装や髪型は、第一印象を大きく左右する。 |

それぞれ詳しくみてみよう。
✅接遇と合わせて知っておきたい
挨拶|訪問介護スタッフの第一印象は「最初の一言」で決まる。
訪問介護は、利用者の自宅というプライベートな空間に入る仕事です。
そのため、入室時の挨拶は、信頼関係づくりの第一歩になります。
最初のひと言が、利用者に「安心感」を与えるのか、「不安感」を与えてしまうのか──。
その印象が、その日の訪問全体の雰囲気を大きく左右します。
「この人が来てくれてよかった」と思ってもらえるかどうかは、
挨拶の質で決まることも少なくありません。
❌ NGな挨拶例(避けるべき行動)
状況 | NG例とその理由 |
---|---|
インターホン対応 | 無言・ぼそぼそ名乗る → 誰が来たのかわからず、不安を与える。 |
玄関での入室時 | 靴を脱ぎながら「どうも〜」 → 軽率な印象を与え、信頼を損なう。 |
✅ 良い挨拶例(信頼につながる行動)
状況 | OK例とその効果 |
---|---|
インターホン越し | 「〇〇介護サービスの△△です。よろしくお願いします」→ 明確な自己紹介で安心感を与える。 |
玄関での入室時 | 「おはようございます。本日もよろしくお願いします」→ 丁寧な第一声で信頼を構築。 |
退室時 | 「ありがとうございました。失礼いたします」→ 気持ちのよい締めくくりが次回への印象に繋がる。 |
想像してみましょう。
もし自分の家に毎日誰かが来るとしたら、黙って靴を脱いで入ってくる人と、目を見てきちんと挨拶してくれる人、どちらが気持ちよく迎え入れられるでしょうか?
・ここ数日の訪問で「目を見て自分から挨拶」を意識できたか振り返ってみましょう。
訪問時の言葉遣いの基本。
訪問介護は、利用者の「プライベート」に入る仕事です。
馴れ馴れしい言葉や曖昧な表現は、ときに不安や違和感を与えてしまうこともあります。
また、高齢の方の中には、耳が遠い方や認知機能の低下がある方もいます。
だからこそ——
丁寧で、わかりやすく、温かみのある言葉遣いと態度が大切です。
ちょっとした配慮が、信頼関係を築く一歩になります。
❌ NGな言葉使い例
言葉づかい・対応例 | 問題点 | 相手に与える印象 |
---|---|---|
「〇〇してもらえます?」 | 友達口調・命令調に聞こえる。 | 距離感が近すぎる、不快に感じる可能性がある。 |
「はいはい、わかりましたよ〜」 | 軽い・投げやりな返事。 | 適当な態度に見られ、不信感を与える。 |
✅ 良い言葉使い例
言葉づかい・対応例 | 特徴 | 相手に与える印象 |
---|---|---|
「恐れ入りますが、こちらでよろしいでしょうか?」 | 相手を立てた丁寧な表現。 | 敬意が伝わり、好印象を与える。 |
「ありがとうございます。助かります。」 | 感謝を伝える表現。 | 良好な関係づくりに繋がる。 |
私たちにとって利用者は、「サービスの対象者」かもしれません。
しかしその前に、一人の「生活者」でもあります。
だからこそ、言葉づかいも、態度も、「敬意」が求められるのです。
・ここ最近の言葉遣いを振り返り、「よりふさわしい言葉遣いができた場面はなかったか」を思い出してみましょう。

まずはしっかりとした敬語を使えるようになろう。

下のチェックシートで敬語を使う練習として使ってください。
✅ 敬語の使い分けに迷ったときは、下のチェックシートをご覧ください。
訪問介護では、柔らかく、安心感のある表情も大切な支援です。
介助や支援だけでなく、その場の雰囲気づくりもヘルパーの大切な役割の一つです。
疲れていたり、忙しかったりして、
そのままの表情で接してしまうと——
利用者はすぐに気づき、気を遣わせてしまうこともあります。
表情は、言葉以上に感情が伝わります。
柔らかく、安心感のある表情を意識しましょう。
❌ NGな雰囲気づくり例
状況 | 問題点 | 相手に与える印象・リスク |
---|---|---|
無表情で作業開始 | 挨拶や笑顔がないまま業務を始める。 | 「何かあったのかな?」と不安にさせる。 |
相槌をせず無表情で会話 | 反応が乏しく、興味が伝わらない。 | 「話しかけないほうがいいのかも…」と相手を萎縮させてしまう。 |
✅ 良い雰囲気づくり例
状況 | 丁寧な対応例 | 相手に与える印象・効果 |
---|---|---|
入室時の挨拶 | 少し口角を上げて「おはようございます」 | 第一印象が柔らかくなり、信頼関係のきっかけになる。 |
会話中の態度 | 相手の目を見て穏やかにうなずく。 | 話をしっかり聞いている姿勢が伝わり、安心感を与える。 |
自宅で過ごしている利用者にとって、スタッフが無表情で黙々と作業していると、
「自分が何か迷惑をかけてしまったのでは…」と不安になることがあります。
表情や声かけは、利用者の安心感に直結します。
「大丈夫ですよ」「今日は暑いですね」など、ちょっとした一言が心を和ませることにつながります。
あなたならどのように感じますか?
・訪問前、訪問後に鏡で自分の表情をチェックしてみましょう。
丁寧さが「態度」や「所作」にも現れてはじめて、相手に安心感を与えます。
訪問介護では、ご利用者さまの生活空間に入るからこそ、
「音」や「動き」ひとつにも心配りが求められます。
何気ない動作でも、荒々しさがあると
相手に不快感や緊張感を与えてしまうことも。
落ち着いた動き、丁寧な手つき。
「この人なら安心して任せられる」と思っていただけるような立ち振る舞いを意識しましょう。
❌ NGな立ち振る舞い例
状況 | 問題点 | 相手に与える印象・リスク |
---|---|---|
ドアや戸棚を「バタン!」と閉める | 音が大きくて威圧感がある。 | 驚かせたり、不安を与える可能性がある。 |
スリッパの音をパタパタさせて歩く | 足音がうるさく落ち着きがない。 | だらしなく、信頼感を損なう印象になる。 |
✅ 良い立ち振る舞い例
状況 | 丁寧な対応例 | 相手に与える印象・効果 |
---|---|---|
ドアの開閉 | 両手で静かに開け閉めする。 | 丁寧で落ち着いた所作が、安心感を与える。 |
廊下での動作 | 静かに歩き、落ち着いた動作を心がける。 | 相手を尊重する姿勢が伝わる。 |
誰かが自宅で大きな音を立てたり、慌ただしく動き回っていたら、落ち着いて過ごすことができませんよね。
訪問介護は、まさに「生活空間」に入って行う支援です。
自分が利用者の立場だったらどう感じるか。
ドアをバンッと閉める音、強い物音、慌ただしい動き…それが毎回の訪問で続いたら、「落ち着かない」「来てほしくない」と思うかもしれません。
支援中の音や動作ひとつにも、相手への配慮が求められます。
・ここ最近の訪問で「もっと静かに、落ち着いて行動できた場面」がなかったか振り返ってみましょう。
訪問介護では「清潔感」が何より大切。

訪問介護では「清潔感」が何より大切です。
ヘルパーの服装や髪型、表情は、利用者の安心感に直結します。
特に毎回同じ制服やエプロンで支援する場合、ちょっとした乱れや汚れでも目につきやすくなるものです。
「大丈夫だろう」ではなく、「今日も大丈夫かな?」と毎回チェックする習慣が大切。
髪はまとめているか? 爪は清潔か? エプロンは汚れていないか?
自分では気づきにくい部分だからこそ、意識的に確認するようにしましょう。
❌ NGな身だしなみ例
状況・例 | 相手に与える印象・リスク |
---|---|
ヨレヨレ・汚れたエプロンや制服 | 「洗っていない」と感じさせ、不潔な印象。 |
髪がボサボサ・整っていない | 不衛生に見え、食品や洗濯物への接触リスクも。 |
強い香水・香りの柔軟剤 | 不快・体調不良の原因にも。 |
爪が長い・ネイルをしている | 清潔感に欠け、衛生・安全面で問題。 |
名札がついていない・読めない | 誰かわからず、信頼を損なう。 |
✅ 良い身だしなみ例
状況・例 | 相手に与える印象・効果 |
---|---|
シワのない清潔な制服 | 清潔感・信頼感を与える。 |
整えられた髪 | 清潔・衛生的で好印象。 |
無香料または自然な香り | 高齢者にも安心・不快感を与えない。 |
短く整えられた爪・ナチュラルな手元 | 衛生的で安心感を与える。 |
名札を正しい位置に着用 | 安心感と信頼感につながる。 |
その場に相応しい身だしなみで、安心して迎え入れてもらえる存在を目指しましょう。
・以下のチェックリストを使って、今日の身だしなみを振り返ってみましょう。
◻︎制服は清潔でシワがなかったか?
◻︎髪は整っていたか?
◻︎香りは強すぎなかったか?
◻︎爪は短く清潔だったか?
◻︎名札は正しい位置にあったか?
◻︎靴・スリッパは清潔だったか?
🔻他の研修記事一覧はこちら
→訪問介護スタッフ向け研修資料一覧|ケアパワーラボ
職員間の接遇も意識
訪問介護では、職員同士の「間接的な関わり方」がとても重要です。
訪問介護では、職員同士が直接顔を合わせる機会が少ないため、電話・伝言・記録などを通じた「間接的な関わり方」が人間関係やチーム連携に大きく影響します。
「利用者に対して丁寧に接すること」は多くの方が意識していますが、職員同士のやり取りにおいても、接遇の視点がとても大切です。
例えば、申し送りでの一言、電話対応での語尾のトーン、記録の書き方。
相手は、そうした対応からもあなたの姿勢や気持ちを受け取っています。
シーン | 一言・工夫 | 効果・相手に伝わる印象 |
---|---|---|
電話の最後 | 「いつもありがとうございます」「引き続きよろしくお願いします」 | 感謝の気持ちが伝わり、温かく丁寧な印象になる。 |
申し送り | 「お疲れ様です。〇〇の件ですが…」と冒頭に一文加える。 | 相手へのねぎらいや配慮が感じられ、印象が柔らかくなる。 |
記録のコメント | 「ご対応いただき、ありがとうございます」「助かりました」など。 | 協働する姿勢が伝わり、良好なチーム関係を築ける。 |
そうした小さなやり取りの積み重ねが、「この人となら安心して働ける」という信頼を育てていきます。
振り返ってみましょう。
・電話やメール、申し送りで「一言添える」ことができた場面はありましたか?
・忙しさのあまり、ついそっけなくなってしまったやり取りはなかったでしょうか?
もし「次はこうしてみよう」と思うことがあれば、それを明日の目標にしてみてください。
クッション言葉の活用
お願いごとや断りの場面では、言い方ひとつで相手に与える印象が大きく変わります。
ストレートに伝えたほうが早い場面もあるかもしれませんが、相手との関係を大切にしたいときは、「クッション言葉」を挟むだけで、言葉の印象がグッと柔らかくなります。
お願いごとやお断りの場面では
言い方ひとつで相手に与える印象が大きく変わります。
ストレートに伝えたほうが早いと感じることもあるかもしれませんが、相手との関係を大切にしたい場面では、「クッション言葉」をひとつ加えるだけで、その言葉の印象がぐっと柔らかくなります。
クッション言葉ってなに?
クッション言葉とは、本題に入る前に相手への配慮や敬意を示すための一言です。
例えば、いきなり「これやってください」よりも、「恐れ入りますが、こちらお願いできますか」と言われたほうが、受けては気持ちよく応じやすくなります。
よく使われるクッション言葉
- 恐れ入りますが
- お手数ですが
- 申し訳ありませんが
- もし可能でしたら
- 差し支えなければ
これらを少し加えるだけで、「お願いごと」や「断り」「訂正」など、デリケートな場面でも丁寧な印象を保つことができます。
シーン | 丁寧な声かけ例 | 効果・相手に伝わる印象 |
---|---|---|
許可をとる場面 | 「恐れ入りますが、こちらのタオルを使わせていただきます」 | さりげなく敬意を示せ、安心感を与える。 |
依頼をする場面 | 「お手数ですが、サインをお願いしてもよろしいでしょうか」 | 事務的な対応でも配慮が感じられ、印象が良い。 |
予定変更・謝罪時 | 「申し訳ありませんが、今日の予定を変更していただくことは可能でしょうか?」 | 謝意と柔らかさが伝わり、トラブルになりにくくなる。 |
クッション言葉は、言葉づかいの中のマナーともいえます。
相手の気持ちに寄り添いながら、伝え方を工夫することが、接遇の質を高めるポイントになります。
✅ 接遇研修を実施する際には、「言葉づかい」や「態度」だけでなく
トラブルの未然防止もセットで扱うと効果的です。
・ご利用者さまやご家族、スタッフに対してクッション言葉を1回以上使えましたか?
・「つい省略してしまったな」と思う場面はありましたか?

ほかにも研修資料がありますのでご利用ください。
✅関連記事:「法定研修の全体像をまとめてチェックするならこちら」
→ https://care-power-lab.com/category/nursing-care-training-materials/statutory-training/
まとめ
訪問介護の仕事は利用者の「暮らしの場」に寄り添うという、特別な場面の連続です。
接遇とは、特別な言葉づかいや振る舞いではなく、日々の小さな気配りや心配りの積み重ねです。
それがご利用者さまの安心や信頼につながっていきます。
<明日からできることを、ひとつずつ>
・玄関先では、目を見て穏やかに挨拶をする
・クッション言葉をひとつ、意識して使ってみる
・退室時に「ありがとうございました。失礼いたします。」と丁寧に締めくくる
・1日の終わりに、自分の表情、態度を少しだけ振り返ってみる
こうしたちょっとした丁寧さが、相手にとっての「心地よさ」になります。
無理なくできることから、まずは一歩。
その積み重ねが、あなたらしい接遇になっていきます。
ひかりのくに株式会社 篠田弥寿子著 ケアワーク・スキルアップ②心に手の届くマナーと声かけ
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