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訪問看護における感染症予防の基本
感染源・感染経路・感受性宿主を理解する
訪問看護の現場で感染症を効果的に防ぐためには、「なぜ感染が起こるのか」という仕組みを知ることが不可欠です。
🔻感染症は以下の3つの要素がすべて揃ったときに成立します。
- 感染源(病原体)
- 感染経路
- 感受性宿主
これら3つのうち、どれか1つでも断ち切ることができれば、感染症の発症を防ぐことができます。
① 感染源(病原体)
感染源とは、病気の原因となるウイルス、細菌、真菌など 感染の元になるもの のことです。
| 感染源の種類 | 血液、体液、排泄物、嘔吐物、それらに汚染されたリネン類など。 |
| 対策 | 適切な消毒や汚染物の迅速な廃棄によって、現場から病原体を取り除く。 |
② 感染経路
感染経路(感染ルート) を通じて体内に病原体が入ることで感染します。
🔻ルートは大きく3つあります。
| 接触感染 | 手指を介した直接的な接触や、ドアノブ・手すりなどを介した間接的な接触。 |
| 飛沫感染 | 咳やくしゃみによるしぶきを吸い込むこと。 |
| 空気感染 | 空気中を漂う微細な粒子を吸い込むこと。 |
(例)手指衛生・マスク・タオルや食器などの共用を避ける
訪問看護において、最もコントロールしやすく、かつ重要なのが病原体が体に入るルート「経路」の遮断です。
③ 感受性宿主(感染を受ける人)
利用者様は高齢であったり、基礎疾患を持っていたりすることが多く、非常に感染しやすい状態(宿主)にあるため、以下の対策が必要です。
上記は状態によって訪問介護や訪問歯科などチームでのケアが必要となるため、状況に応じてケアマネに相談してください。
✅ 利用者様の免疫を強くすることも大切ですが、訪問看護では、即効性のある「感染源」「感染経路」の遮断 が最優先となります。
手指衛生とPPE(個人防護具)の適切な使用方法
訪問看護の現場では、自分自身が感染の媒介者にならないことが大切です。
手指衛生が必要な「5つのタイミング」
- 利用者様に触れる前
- 清潔操作・無菌操作(点滴やカテーテル管理など)の前
- 体液に触れた可能性がある時(排泄介助、入浴介助、ゴミの取り扱いなど)
- 利用者様に触れた後
- 利用者様の周囲の物品(ベッド柵、ドアノブ、リモコンなど)に触れた後
手指衛生の「正しい」手順(徹底解説)
手指衛生は「ただ洗えばいい」わけではありません。
🔻「衛生的手洗い」の手順は以下になります。

✅ 特に、利用者様宅に入室した直後と、ケアを終えて退出する前の手指消毒は、ウイルスを持ち込まない・持ち出さないための鉄則です。
- 流水で手を濡らし、石鹸を十分に泡立てる: 手のひらだけでなく、手の甲までしっかり泡を広げます。
- 指の間、指先、爪の間を洗う: 両手を組むようにして指の間をこすり、指先は反対側の手のひらで円を描くようにして爪の中まで石鹸を届けます。
- 親指と手首を忘れずに: 親指を反対の手で握り、ねじるように洗います。最後に手首までしっかり洗い流すのが、在宅現場での汚染拡大を防ぐポイントです。
- 水分を完全に拭き取る: 水分が残っていると、その後の消毒薬の効果が薄れたり、手荒れの原因になったりします。清潔なペーパータオルで、押さえるようにして水分を吸い取ります。
- 蛇口を閉める際の注意点: せっかく綺麗になった手で、汚染されている可能性のある蛇口を直接触るのはNGです。使用したペーパータオルを使い、蛇口を閉めるのが「訪問看護のプロ」の立ち振る舞いです。
PPE(個人防護具)の「脱ぎ方」完全ガイド
実は、PPEは「着る時」よりも「脱ぐ時」の方が感染リスクが高い と言われています。
🔻自分の衣服や皮膚を汚さないための、具体的な手順を解説します。

- 手袋の脱ぎ方: 片方の手袋の裾(手首付近)を摘み、裏返しながら脱ぎます。脱いだ手袋を、もう片方の手袋をはめた手で握り込み、最後は素手を手袋の内側に差し込んで、汚染面に触れないよう「二重の袋状」にして破棄します。
- エプロンの脱ぎ方: まず首の紐を切り(または外し)、汚染されている表面を内側に巻き込むようにして、上から下へ丸めていきます。最後に腰紐を外し、小さくまとめた状態で廃棄物袋へ入れます。
- マスクの脱ぎ方: 前面のフィルター部分はウイルスが付着している可能性が最も高い場所です。ここには絶対に触れず、耳にかけているゴム紐だけを持って外し、そのままゴミ箱へ捨てます。その後、必ず即座に手指消毒を行います。
現場では、手洗い場が借りにくかったり、処置が立て込んだりして「つい後回し」になりがちな瞬間があります。
訪問時は常に速乾性手指消毒薬を腰ポケットに携帯し、次の動作に移る前の「1秒消毒」を習慣化しています。
また、PPEを脱ぐ際に自分の服が汚れないよう、脱ぐ順番(手袋→エプロン→手指消毒)を常に頭の中でシミュレーションしておくのがおすすめです!

🔻「いつも通りの利用者様だから」「急いでいるから」という理由で、PPE(個人防護具)を省略してしまった際のヒヤリハットです。
➤ 具体的なエピソード💬 「今日は少し痰が絡んでいるだけだから」と、フェイスシールドをせずに吸引介助を行った際、予期せぬタイミングで利用者様が激しく咳き込み、自分の顔や眼に飛沫が飛んできたことがありました。
幸い感染症の発症には至りませんでしたが、一歩間違えれば重大な事故に繋がっていたと、肝を冷やした経験です。
在宅の現場では、病院ほど設備が整っていないからこそ、「最悪の事態を想定した装備」を怠ってはいけません。
「いつもと少し様子が違う」と感じた直感を大切にし、たとえ数分のケアであっても、エプロンやアイシールドを適切に装着する手間を惜しまないことが、自分と他の利用者様を守ることに繋がります。
✅厚労省が出している『感染対策普及リーフレット』写真つきで正しい手洗い・手指消毒がわかりやすく学べます。➤(厚生労働省)感染対策普及リーフレット
【訪問看護の現場の知恵】在宅ケアにおける感染リスク管理の具体例
限られたスペースで行う「清潔・不潔」のゾーニング実践術
在宅ケアの現場では、病院のように「清潔エリア」と「不潔エリア」が明確に分かれているわけではありません。
そのため、看護師自身がその場に応じた「ゾーニング(区分け)」を行う必要があります。
🔻 限られたスペースでのゾーニング実践術
特に自宅では「どこまでが綺麗でどこからが汚れているか」が曖昧になりがちです。
入室時にまず「ここを清潔エリアにする」と心の中で決めて、そこに不必要なものを持ち込まないようにしています。
また、ご家族にも「ここにバッグを置かせていただきますね」と一言添えることで、不意に触れられるリスクを減らしています。
➤ 具体的なエピソード💬 訪問カバンを置く場所に困り、利用者様のご家族から「そこ(ソファの上)に置いていいわよ」と言われ、ついそのまま置いてしまったことがあります。
しかし、そのソファには以前、嘔吐物の付着があったことが後から判明しました。
ご家族の親切心を無下にしないことも大切ですが、
「カバンは自分自身の拠点であり、感染を媒介させてはいけないもの」
という認識を強く持つべきだと痛感しました。
それ以来、どこへ行くにも自前の使い捨てシートを持参し、「仕事道具を清潔に保つためのマナーですので」と笑顔で説明しながら、
自分の決めた清潔エリア以外には絶対に物品を置かないようにしています。
ケア時の湿度管理と飛沫対策:在宅ならではの留意点
在宅でのケア、特に入浴介助や清拭の場面では、湿気や飛沫への対策が重要です。
病院のように換気システムが完璧ではない環境だからこそ、以下の点に留意しましょう。
🔻 湿度管理と換気のポイント
🔻 飛沫対策の具体的アクション
冬場の清拭時はお湯からもくもく湯気が立ちますが、「湯気=飛沫の運び屋」になりかねません。
ケアの合間に、さりげなく空気の流れを作るようにドアの隙間を調整したり、ご家族に換気の協力をお願いしたりしています。
医療器具(カテーテル等)がある利用者様への配慮
留置カテーテル(バルーンカテーテルなど)やドレーンを挿入している利用者様は、
体内に異物が直接入っている状態のため、通常よりも感染リスクが非常に高くなります。
逆行性感染を防ぐための基本操作を徹底しましょう。
🔻 留置カテーテル管理の3大原則
- 閉鎖回路の維持: 接続部をむやみに外さない。
- 逆流の防止: 蓄尿バッグは常に膀胱よりも低い位置(ベッド柵の下など)に保つ。
- 手指衛生の徹底: カテーテルやバッグに触れる前後は、必ず流水と石鹸、または速乾性手指消毒薬で消毒を行う。
🔻 ケア(入浴・清拭)時の留意点
訪問現場では、ベッド上の動作や車椅子への移乗時に、ついバッグの高さが膀胱と同じくらいになってしまう「ヒヤリ」とする瞬間がありますよね。
その時はまず「バッグの定位置」を真っ先に確認します。
また、利用者様やご家族にも「これより高くしないでくださいね」と、理由(バイ菌が入っちゃうから、など)を添えて定期的にお伝えするようにしています。
訪問看護で行える、ご家族への協力依頼と生活環境のアドバイス
訪問看護における感染対策は、私たちスタッフだけが頑張っても完結しません。
24時間生活を共にされるご家族や介護者の方々が、無理なく、かつ正確に感染対策を継続できるよう支援することが、在宅ケアの要となります。
🔻 ご家族への指導:3つのステップ
- なぜ必要なのかを「理由」とともに伝える: 単に「消毒してください」と言うのではなく、「〇〇さんの体にバイ菌が入らないように、このタイミングでシュッとしてくださいね」と、メリットを明確に伝えます。
- 「いつもの動作」に組み込む:「オムツを替えた後」「食事の準備の前」など、日常生活の流れの中で手指衛生を行うタイミングを具体的に提示します。
- 視覚的に分かりやすくする: 厚労省のリーフレットや、手作りの「手洗い手順」を洗面所に貼らせていただくなど、意識しなくても目に入る工夫をします。
🔻 生活環境を整えるアドバイス
- 共用タオルの廃止: 洗面所のタオルをペーパータオルに変える、または個別のタオルを使用することを推奨します。
- 換気の習慣化: 「1時間に1回、5分だけ窓を開けましょう」など、具体的な数値で提案します。
ご家族の中には「自分たちの家なのに、そこまで厳しくしなきゃいけないの?」と感じる方もいます。
その場合は、指導というよりも「一緒に〇〇さん(利用者様)を守るチームメイト」としてお話しするようにしています。
「いつも綺麗にしてくださってありがとうございます。さらにここをこうすると、もっと安心ですね!」と、感謝をベースに伝えるのが、良好な関係を築きつつ対策を徹底してもらうコツです。
訪問看護:毎日の感染予防チェックリスト(自分と利用者を守る習慣)
日々の忙しい業務の中で、感染対策を漏れなく実施するためのセルフチェックリストです。
訪問の前後、そしてケアの最中に、以下のポイントを再確認しましょう。
訪問前・入室時のチェック
ケア実施中のチェック
退出時・訪問後のチェック
看護師の視点💬 特に一人で訪問する現場では「まあいいか」という油断が一番の敵です。
このチェックリストを頭の中で「ルーティン」として染み込ませていきましょう。
慣れるまでは、バインダーの裏に小さく貼っておいたり、スマホの待ち受けにメモしておいたりするのもおすすめです。
まとめ
訪問看護の現場における感染対策は、利用者様の命を守るだけでなく、
私たちスタッフ自身の健康、そしてそのご家族の安心を守るための「砦(とりで)」です。
病院とは異なり、限られたスペースや設備の中でのケアは決して容易ではありません。
しかし、今回お伝えした「感染成立の3要素」を理解し、正しい手順で手指衛生やPPEを使用することで、感染リスクは確実に最小限に抑えることができます。
訪問看護の現場で日々奮闘する中で、つい「効率」を優先したくなる瞬間があるかもしれません。
しかし、私たちの手による丁寧な感染対策こそが、利用者様が住み慣れた自宅で安心して過ごせる「質の高いケア」の基盤になります。
今日からの訪問で、まずは「腰ポケットの消毒薬を一回多く使う」といった小さな一歩から始めてみましょう。
🔻 記事の重要ポイント振り返り
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【訪問看護事業所向け】
現場でそのまま使える【印刷OK】訪問看護における感染症の予防とまん延防止|現場で役立つ実践対策ガイドを、わかりやすく整理しました。
✅ 【印刷OK】訪問看護における感染症の予防とまん延防止|現場で役立つ実践対策ガイド
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研修・ミーティング・配布用
介護現場における感染対策マニュアル(施設系・通所系・訪問系サービス共通)https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/1225_houmon-2_s.pdf
感染症の予防及びまん延防止に関する研修資料https://www.mhlw.go.jp/content/000501120.pdf
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
監修:ぽっか(ケアパワーラボ介護福祉研究所所長)
資格 主任ケアマネ・社会福祉士・鍼灸師・食品衛生管理責任者・防災防火管理責任者・防災士
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