✅このページは、読み終わったときに
「防災メモ」と「備蓄チェック」が最低限できていることを目的にしています。
完璧に準備する必要はありません。
できるところだけで大丈夫です。
➤ 防災メモと備蓄チェックはこちら
※本ページはプロモーションが含まれています。ご了承ください

この防災ガイドは以下の方を対象としています。
✅ 要介護の親・家族と暮らしている人
✅ 高齢世帯
✅ 防災は大事だと思うけど、何をすればいいかわからない人など
- はじめに|介護がある家庭ほど、災害の不安は大きい
- 【災害は大きく2種類】予測できる災害・予測できない災害
- 風水害:逃げる目安は【レベル3】
- 【風水害】どこに避難する??
- どんな時に避難場所(避難所)にいくの??
- 避難所・避難場所の違いは必ず覚えておく!
- 【福祉避難所】安心だが災害時すぐには開かない
- 動けない家族がいる場合に知っておきたい制度
- 地震災害には備えが重要!まずは家の中から
- 【地震発生時】要介護者・高齢者がいる家庭の初動行動
- 災害直後72時間をどう過ごすか考えておく
- 要介護者がいる家庭の非常持出品チェック
- 認知症のある方の災害時の避難
- 171伝言ダイヤルを覚えましょう
- 災害時には公衆電話が役立ちます
- 災害のときに役立つ「防災メモ」
- まとめ|完璧を目指さなくて大丈夫です
- 印刷して使える|要介護者がいる家庭の防災チェックまとめ
- 防災教室について
はじめに|介護がある家庭ほど、災害の不安は大きい

要介護者がいる家庭は災害被害を受けやすい
🔻介護がある家庭や高齢世帯では、
- 移動に時間がかかる
- 介助が必要で一人では動けない
- 認知症などで状況理解が難しい
このような事情が多くあります。
さらに都市部でも自然災害が増えてきている【災害映像】
※この映像は、災害の現実を伝えるために筆者自身が撮影したものです。
一部の方にとっては、不快に感じる可能性がある内容が含まれています。
(ケアパワーラボ 限定公開)
この動画は、ゲリラ豪雨の直後に撮影。
雨が降って10分ほどで腰の高さまで浸水しました。

この状況で高齢者が歩くことは不可能です。
「もし災害が起きたら、要介護者は避難できる?」
「高齢夫婦だけど、どこに逃げればいいの?」
要介護者がいる家庭や高齢世帯では
一般的な家庭と同じ防災のやり方ではうまくいかないことがあります。
🔻この記事では、
- 災害時に判断を誤らないために知っておくこと
- 事前に準備しておくべきこと
介護が必要な家庭の目線でまとめています。
【災害は大きく2種類】予測できる災害・予測できない災害

① 大雨・台風などの風水害
【風水害】➤ ある程度予測ができます。
- 大雨予報
- 台風接近
- 警戒レベルの発令
こうした情報が出た段階で、
早めに逃げる準備ができるのが特徴です。
② 地震などの突発的な災害
【地震災害】➤ いつ起きるかわかりません。
そのため、
- 家の中の安全
- 備蓄
- 家具の固定
といった事前の備えがとても重要になります。
※ ただし、どちらの災害も『日頃の対策』と『緊急時の対応』は欠かせません。
風水害:逃げる目安は【レベル3】
大雨、台風では『警戒レベル』を避難の目安にします。

警戒レベル1.2は気象庁 レベル3.4.5はお住いの市区町村が発令します。
【警戒レベルと発令主体】
| 警戒レベル | 発令する機関 |
|---|---|
| レベル1・2 | 気象庁 |
| レベル3・4・5 | 市区町村 |
風水害は早めに避難
と覚えておきましょう。
避難情報はこうして伝えられる!
🔻避難情報は
- 市区町村の公式LINE
- 市区町村のホームページ
- 防災行政無線
- 広報車
などを通じて伝えられます。

災害時は行政無線や広報車は聞こえない可能性があるため、
市町村公式LINEの登録をお勧めします。
※すべての災害時に必ず発令されるとは限らないため、自主的な判断も重要です。
【風水害】どこに避難する??
では、
風水害でレベル3になりました。
皆さんはどこに避難しますか??

「避難する=避難場所に行く」だけではない
多くの方が誤解しがちですが、
避難とは
避難場所・避難所に行くことだけではありません。
🔻例えば、
- 危険がなければ自宅で過ごす『在宅避難』
- 安全な親戚や知人の家に移動する『縁故避難』

これらも立派な避難行動です。
避難とは、命の危険がある場所から離れ、安全を確保する行動のことです。

ハザードマップで水害の被害がなく、自宅に十分な備蓄品があるなら移動はリスクなんだ。
※ 自宅が安全な場所かどうか、ハザードマップで確認しておきましょう。
✅ 各市町村が作成したPDFマップを一覧で見られる。
➤ ハザードマップポータルサイト https://disaportal.gsi.go.jp
避難場所(避難所)のリスク

実は、人で混雑している避難所は、
要介護者にとって負担が大きくなります。
また、避難所では感染症・プライバシー・安全面の課題も多く、
特に高齢者は、避難所でのトラブル被害も報告されています。
✅このようなトラブルが…。

水害時の移動リスク
🔻次のような状況では、無理な移動が危険になることがあります。
- 夜間で足元が見えない
- ひざ上まで浸水している
- 水の流れが強い
- 道路状況がわからない

要介護者を連れての移動は、特に注意が必要です。
「避難しない」という判断が、
結果的に命を守ることもあります。
水害時は垂直避難も有効
自宅にいて外に出ることが危険な場合や、高い建物にいる場合は
『垂直避難』をするなど、
できる限り最善の行動をとりましょう。

どんな時に避難場所(避難所)にいくの??
🔻自宅が
- 二階まで浸水する
- 土砂に巻き込まれる
- 建物が古い・もろい等

このような場合は避難場所(避難所)へ
※移動のリスクが発生しないうちに早めに避難しましょう。

風水害はある程度予測ができるから、早めに避難することがたいせつね!
避難所・避難場所の違いは必ず覚えておく!
🔻言葉が似ていて、混乱しやすいポイントです。

・避難所:生活を続ける【滞在する場所】
→ 自宅での生活が困難になったときに「しばらく過ごす」ための場所
・避難場所:命を守るために【逃げる場所】
→ 火災・地震・津波などの危険から「まず逃げる」ための場所
✅ 避難のタイミング
→ 「避難場所」は災害発生直後に命を守るために行く
→ 「避難所」は安全が確認された後、生活が困難になったときに移動する

避難場所は、すぐ開くとは限らないんだ。必ず自治体から『開設しました』という情報が出てから向かおう。
情報を確認せずに避難場所に行くと、閉まっていたりと危険な場合があります。市区町村のホームページ・LINEなどで情報の確認をしてから、避難場所に向かいましょう!
【福祉避難所】安心だが災害時すぐには開かない
【福祉避難所とは】
福祉避難所は、高齢者や障害のある人など、
支援が必要な人のために設けられる避難所です。
- 介護の支援が受けられる体制
- バリアフリー設備
- 個別の配慮も整備
安心して過ごせる環境が用意されています。
注意したいのは、
福祉避難所は最初から開いていないことが多いという点です。
※人員の確保や物資の搬入などに時間がかかるため、利用できるまでに一定の待機が必要になるのが現実です。
✅ まずは一般の避難行動を取り、
状況に応じて移動する流れになることが多いと知っておきましょう。
動けない家族がいる場合に知っておきたい制度


動けない家族がいる場合はどうしたらいいのかしら??
避難行動要支援者登録制度

【避難行動要支援者登録制度】とは
自力で避難することが難しい人について、
市町村が名簿をつくり、関係機関や地域と情報を共有する仕組み。
🔻自治体によりますが、一般的に
- 要介護認定を受けている方
- 一人暮らし高齢者
- 障害のある方
を対象に、避難支援の名簿を作成しています。
ただし、必ず支援が受けられるわけではない点には注意が必要です。

でも、登録しておくと、支援が必要な人がいることが地域に伝わるんだ。その分、助けが届く可能性は高くなるよ。
登録の受付や相談は各市町村が担当します。
担当課は、一般的に以下のいずれかです:
- 福祉関連の課(高齢者福祉課・障がい福祉課など)
- 防災担当課(危機管理課など)
➤内閣府:避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/youengosya/r3/pdf/shishin_r7.pdf
地震災害には備えが重要!まずは家の中から
地震でのケガは、
家具の転倒や落下物が原因になることが多いです。
🔻最低限、次の点を確認しておきましょう。
- タンス:天井をポールで固定
- 食器棚:L字金具やポールで固定、戸は留め金
- 本棚:L字金具やワイヤーで壁固定、重い本は下、飛び出し防止にひもやベルト
- テレビ:ワイヤーで固定
- 冷蔵庫:裏側をワイヤーで壁固定
- 窓:飛散防止フィルム

画像引用:政府広報オンライン
寝室の安全確保: 就寝中に下敷きにならないよう、寝室にはなるべく背の高い家具を置かないようにしましょう。

重い物は下に収納する: 重心を安定させるため、重い物は棚の下の方に収納します。

できるところからで大丈夫です。
【地震発生時】要介護者・高齢者がいる家庭の初動行動
地震が起きたとき、
要介護者・高齢者がいる家庭では「一般的な避難行動」と同じ動きができないことがあります。
- 速報緊急地震速報

スマートフォンなどで強い揺れを知らせてくれます。
- 地震発生身を守る

- テーブルの下に入る
- 移動が困難な場合は座布団で頭を守る
※車いすの方は必ずブレーキを!
- 揺れが収まる揺れが収まったら「安全確認」
火を消しガスの元栓を閉めます。

他:
- 倒れそうな家具はないか
- ガラスが割れていないか
※危険な場合は近所の方に頼み
安全の確認をしてもらいましょう。
- チェック「外に出るか」を判断する
次の場合は、
指示がなくても屋外へ避難します。- 建物が大きく傾いている
- 壁や柱に大きなひびがある

※公園など、建物の倒壊の心配がない場所へ。
災害直後72時間をどう過ごすか考えておく
災害が起きてすぐは、
支援が届くまで時間がかかります。
🔻そのため、
- 水・食料は最低3日分
- できれば1週間分
を目安に自宅に備えておきましょう。
普段使う食品を少し多めに買い、
使ったら補充する「ローリングストック」がおすすめです。

※この一例は「全部そろえるため」のものではありません。
今あるもの・足りないものを見える化するためのチェック表です。
✅ 要介護者・高齢者が備蓄に必要なもの一例です。
簡単に印刷ができますのでチェックしましょう!
要介護者がいる家庭の非常持出品チェック
🔻一般的な防災セットに加えて、次のようなものを意識しましょう。
- お薬手帳・服薬情報
- 常用薬
- 介護用品(オムツ、手袋など)
- 眼鏡・補聴器の予備など
「これがないと困るもの」を、一度書き出してみると整理しやすいです。

✅ 要介護者・高齢者の非常時持ち出し品の一例です。
簡単に印刷ができますのでチェックしましょう!
認知症のある方の災害時の避難

認知症状のある方にとって、
初めての場所はそれだけで大きなストレスになります。
災害時、
「避難場所に行こう」
と説明しても理解が難しく、
不安からパニックになることもあります。
そこで大切なのが、事前に慣れておくこと。
避難所や安全な場所を、
日頃の散歩コースに組み込んでおくことで、
・見慣れた景色
・体が覚えている道
が、不安を和らげてくれます。
災害が起きてからではなく、
普段の生活の中で少しずつ慣らしておくことが、
安全な避難につながります。
171伝言ダイヤルを覚えましょう
地震や台風などの災害が起きると、
電話がつながりにくくなります。
そんなときに使うのが
伝言ダイヤル171です。
これは、
声の伝言をあずけたり、聞いたりできる電話です。

どんなときに使うのかしら??
🔻こんなときです。
- 家族と電話がつながらない
- 自分は無事だけど、連絡できない
- 安否を伝えたい
👉 「無事だよ」を残すための電話だと思ってください。

使い方はこれだけ(超かんたん)

※毎月1日及び15日、正月三が日、防災週間(8月30日~9月5日)および防災とボランティア週間(1月15日~21日)に体験利用ができます。
NTT東日本 https://www.ntt-east.co.jp/saigai/web171/171pamphlet.pdf
災害時には公衆電話が役立ちます
公衆電話は、
災害のときに優先して使える電話です。
知ってましたか??
ほかの電話が混んでいても、
公衆電話はつながりやすいんです。

また、じつは停電しても使えます。
NTTの通信ビルから電力の供給を受けているため、
停電が発生した場合でも
電話をかけることができます。
✅ ふだんから、これだけ確認しておきましょう
- 自宅の近くに公衆電話があるか
- 避難所の近くに公衆電話があるか
これだけでも十分です。
災害のときに役立つ「防災メモ」
この用紙には、
- 避難するレベル
- 避難場所
- 頼れる人の連絡先
- 災害用伝言ダイヤル171
など、
いざという時に必要なことを書いておけます。
✅ 印刷して、冷蔵庫など目につく場所に貼っておきましょう。


災害が起きると、
あわてて何をすればいいかわからなくなります。
だからこそ、
ふだんのうちに決めておくことが大切です。
まとめ|完璧を目指さなくて大丈夫です
防災は、
「全部やらなきゃいけない」と思うと苦しくなります。
- 知っておく
- 少し決めておく
- できるところから備える
それだけでも、いざという時の安心感は大きく変わります。
要介護者がいる家庭だからこそ、
無理のない、防災の形を一緒に作っていきましょう。
印刷して使える|要介護者がいる家庭の防災チェックまとめ
ここまで読んだ内容を、
「そのまま行動」に移すための資料をまとめました。
全部やらなくて大丈夫です。
できるところからチェックしてください。
✅ 要介護者・高齢者が備蓄に必要なもの一例
✅ 要介護者・高齢者の非常時持ち出し品の一例
✅ 防災メモ
✅ 災害伝言ダイヤル
防災教室について
地域包括支援センター等にて、
要介護者の家族・高齢世帯を対象とした防災教室を実施しています。
🔻無料防災教室の申し込みはこちら
✅ 災害時に介護が必要な方をどう守るか、実践的に学べる内容です。
▶︎ 要介護者の家族向け防災教室申し込み詳細について
本記事の内容は、
実際に地域包括支援センターで行っている防災教室の内容をもとに整理したものです。
教室後に、
・参加できなかったご家族
・あとから内容を見直したい方
が確認できる 『振り返り資料』 として、本記事をご案内しています。
※地域包括支援センター等の活動報告・住民向け案内として、
本記事へのリンク掲載はご自由に行っていただけます。
✅ 訪問介護向けBCP研修
▶︎【防災士が解説】訪問介護のBCP研修・訓練|義務化に対応した備えと対応の考え方(研修資料として使えます) – ケアパワーラボ
© ケアパワーラボ
※以下の行為はご遠慮ください:
・無断での再配布・再編集(PDF配布や加工含む)
・商用利用(有料教材や商品への転用など)
不明な時は遠慮なくご連絡ください。→ メール info@care-power-lab.online
福岡県防災ホームページ『福岡県シニア世代の防災の手引き』
『目立つところに置いておきたい防災マニュアルブック』
政府広報オンライン「災害時に命を守る一人一人の防災対策」
➤内閣府:避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/youengosya/r3/pdf/shishin_r7.pdf
NTT東日本 https://www.ntt-east.co.jp/saigai/web171/171pamphlet.pdf

