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この研修内容はPDFとして簡単に印刷できるので、社内研修の時に使ってください。
ほかにも研修資料がありますのでご利用ください。
倫理とは
社会生活で人の守るべき道理。道徳の規範となる原理のことを言います。人倫(人間一般をさす)の道。
倫理は自ら守ることが期待されている規範で、法令は国が定めた他から強制される規範であるとも言えます。
法令より倫理のほうがより幅広く、上位の概念にあたります。
利用者に対する「タメ口」は法令では規定されていないけど、場合によって倫理的に反する場合もあります。
また倫理は、日々の業務において倫理観として問題発生時に解決策の原点になるものです。
職業倫理とは
お金をもらうプロの職業として、「行うことや守ること」や「してはいけないこと」を言います。
しかし、具体的にどのようにして職業倫理を自覚し、向上させることができるのか。
方法としては、同じ職場の仲間や多職種の人たちとの対話の中を通じてどのような事柄が職業倫理に反しているのか高め合う(感性を磨く)ことも必要です。
ヘルパー憲章
訪問介護の業務を行う際には、ヘルパー憲章を理解した上で、職業としての倫理観を持つ必要があります。
また、道徳的な規範となるものを認識することが重要です。
参照:ヘルパー憲章
人権を守る
日本国憲法
第三章 国民の権利及び義務
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
日本国憲法で定められているように、個人が尊重され、健康で文化的な生活が保障されることが必要です。
さらには、高齢者で介護を受けていたとしても、他の人と同じ権利を受けられるようにしなければなりません。
高齢者のお宅に訪問し、日常生活を支援しているヘルパーさんが、利用者の「人権を守る」事がとても重要になってきます。
人権を守ることが倫理感や職業倫理の意識を高めることに役立ちます。
それでは具体的に人権を守るとはどのようなことでしょうか?
自己決定権を支援する
日々の生活ですべての決定をできる限り利用者自身ができるように支援することです。
そのためには、利用者の意向を聞き、必要なら選択肢を示すことも大切です。
その際、決して押し付けにならないように配慮しなければなりません。
「自己決定」の先には、「自己実現」があり、たとえば介護者の支援を受けながら、家族と歩いて旅行にいきたいという目標に向かって支援ができるかもしれません。
「自己実現」のためには、「自立支援」が必要です。本人の身体状況を把握し、何ができて、何ができないかを判断し、残存機能を活かした支援を意識して行います。
法令順守について
法令順守とは、社会的に決められたルールや規則・法令などを守ることをいいます。
法令を守ることはわかっているけど、どうして改めて研修までして学ぶ必要があるの?
たとえば、酔いつぶれた人を見かけても助けなかったとしても、もちろん罪にはなりません。
しかし、一度助けた(介抱した)後にその場に置いて死亡してしまった場合には罪(遺棄罪)に問われる可能性があります。
このように、法令があるのは知っていたが、内容は分からない(知らない)のではすまされないことが起こります。
法令順守のためには、その法令自体を知らないと守ることはできない。
法令の数は膨大にあるので、全てを完全に網羅するので不可能です。少なくとも自分の仕事に関わる法令については、一読し理解、把握するようにしましょう。
・介護保険法
・高齢者虐待防止法
・個人情報保護法
・労働基準法 など
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準
(居宅サービス計画に沿ったサービスの提供)
第十六条 指定訪問介護事業者は、居宅サービス計画(施行規則第六十四条第一号ハ及びニに規定する計画を含む。以下同じ。)が作成されている場合は、当該計画に沿った指定訪問介護を提供しなければならない。
(サービスの提供の記録)
第十九条 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護を提供した際には、当該指定訪問介護の提供日及び内容、当該指定訪問介護について法第四十一条第六項の規定により利用者に代わって支払を受ける居宅介護サービス費の額その他必要な事項を、利用者の居宅サービス計画を記載した書面又はこれに準ずる書面に記載しなければならない。
(同居家族に対するサービス提供の禁止)
第二十五条 指定訪問介護事業者は、訪問介護員等に、その同居の家族である利用者に対する訪問介護の提供をさせてはならない。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)
居宅サービス計画に沿ったサービスの提供を行いましょう。逆に言うと計画に沿わないサービスはしてはならないことです。
また、サービス提供時に記録をつける際には第三者が読んでも内容がわかる(サービス内容が適正である)ように意識して書くようにしましょう。
同居している家族に対するサービスの提供も禁止されています。
まとめ
・倫理、職業倫理に反する言動がないか常に見直しましょう。
・人権を守ることが倫理感や職業倫理の意識を高めることにつながる。
・法令を遵守するために、法令の内容を理解しよう。
最後に、最終的に倫理、職業倫理や法令順守を守るのは自分自身です。(法令ついては罰則規定があるものもありますが)誰かに強制されるものではなく、また、強制できるものでもありません。
見られていない、見つからないからと思って(倫理に反する、法令に反するという)一線を越えるとそれがいつしか当たり前になってしまいます。
一人一人が報酬をもらって仕事をしているその道のプロとして、自覚をもって業務に当たりましょう。