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この記事の一番最後にあるよ!
バーンアウトとは:訪問介護の現場で起こりやすい理由
バーンアウトってよく聞くけど…
バーンアウトとは、長期的なストレスや過度の仕事量によって引き起こされる心身の疲弊(ひへい)状態を指します。
バーンアウトは「対人サービス」に多いと言われています。
【起きやすいといわれる職種】
- 医療従事者(医師・看護師など)
- 福祉従事者(介護士・ヘルパー・社会福祉士など)
- 教師・保育士
- カスタマーサポート・コールセンター
また、この中でも特に完璧主義・まじめな人がバーンアウトになりやすいと言われています。
バーンアウトと言われる症状はこんな感じだよ
訪問介護の特殊性
どうして訪問介護ではバーンアウトになりやすいのかしら?
訪問介護の仕事には、他の職種とは異なる独特の要因があり、これらがバーンアウトのリスクを高めています。
- 感情労働の負担
- 身体的な疲労
- 時間的プレッシャー
- 孤立しやすい環境
- 予測不可能な状況への対応
身心ともに負担がかかる職場であることが大きいね
これらの要因が重なり合うことで、バーンアウトのリスクが高まります。
そのため、早期の対策と継続的なセルフケアが非常に重要です。
仕事での過重負担がバーンアウトと密接に関係していると、数多くの研究で報告されています。
訪問介護事業所の現状
訪問介護の仕事ってやっぱり大変なのね…
訪問介護の求人有効倍率
そうなんだ、では求人有効倍率を見てみよう
2023年度の訪問介護ヘルパーの※有効求人倍率は14.14倍となっています。
施設介護職員の有効求人倍率が3.79倍であることと比較しても、訪問介護における人材不足の深刻さが際立っています。
※求人有効倍率とは、仕事を探している人1人に対して、どれくらいの仕事の募集があるかを示す数字です。例えば、2倍なら、仕事を探している人1人に対して、2つの仕事の募集があることを意味します。
じゃ、1人に対して14社も仕事の募集があるって事!?
訪問介護の離職率
負担が大きい職場だから離職率も気になるわね
2023年度調査によると、訪問介護員の離職率は12.1%で、全産業平均の15.0%よりは低いものの、やや高めであるといえます。
訪問介護をやめる理由
訪問介護をやめる主な理由は、ほとんどが以下の場合が多いんだよ。
【収入の不安定さ】
キャンセルなどにより、安定した収入が得られにくい状況
【移動の負担】
移動に伴う時間や天候による影響など、移動に関する負担
【プレッシャー】
緊急時の判断や責任の重さにプレッシャーを感じる
【利用者や家族とのトラブル】
クレームや無理な要求への対応にストレスを抱える
【キャリアアップの限界】
経験を積んでも給与や職位の上昇が限られている
訪問介護事業所で働く時のよくあるストレス
私ストレスだらけよ…
具体的なストレス状況の例
ストレスはいろいろな状況でたまるけど、いくつかあげていくよ
- 利用者や家族からの理不尽なクレーム
- 緊急時の対応
- 移動による身体的負担
- 金銭面での問題
利用者や家族からの理不尽なクレーム
利用者や家族からケアマネにくるクレームの例を挙げるよ
利用者からの理不尽なクレームの例:
Aさんは、入浴介助後に「髪の乾かし方が雑だ。風邪をひいたらどうするんだ」と激怒しました。ヘルパーが丁寧に対応しても「言い訳するな」と一方的に責められ、ヘルパーの変更を要求されました。
家族からの理不尽なクレームの例:
利用者の娘から「母の洋服が汚れている。あなたたちの介護が不十分だからだ」と苦情がありました。実際は本人が食べこぼしたものでしたが、説明を聞こうとせず、「今後は毎日洋服を確認する」と厳しい要求をされました。
適切に介護をしてもクレームがあるのが悩みよね
緊急時の対応
緊急時の対応は本当に苦手よ💦
訪問介護中、利用者が急に胸痛を訴えるなど。
場合によっては、救急隊が到着するまで付き添いながら、家族への連絡や事業所(サ責)への報告も行うなどの対応が必要となり、精神的な負担がかかります。
移動による身体的負担
移動の負担も大きいわね
ヘルパーは自転車での移動も多く、特に悪天候の日は移動にかなり苦労します。
また、坂道の多い地域などでは、荷物を持っての移動は腰や膝に大きな負担がかかることも悩みの一つです。
金銭面での問題
事業所の都合もあるけど、軽視出来ない問題だね
事業所によっては、訪問先への移動時間が長いにもかかわらず、その時間は給与に含まれません。
さらに、交通費も自己負担というところもあります。
実際の手取りとなるとあまり多いとは言えない状況です。
ストレスの発見と対策
ストレスがたまっている職員に気づくために
ちょっとした変化に気付く必要があるわね
ストレスがたまっている職員は、少しずつですが変化の兆候(ちょうこう)がみえます。
【行動の変化】
遅刻や欠勤が増える
ミスや報告漏れが目立つようになる
利用者や同僚とのコミュニケーションが減少する
【身体的な変化】
疲労感が強く、元気がない様子が見られる
体調不良を訴える頻度が増える
【精神的な変化】
イライラしやすくなり、感情の起伏が激しくなる
仕事への意欲や集中力が低下する
悲観的な発言が増える
いままでなかった遅刻や欠勤、ミスの増加、コミュニケーション減少などがある場合には注意が必要です。
自身のストレスが溜まっているか気づくために
セルフチェックも大切なことだよ
ストレスのサインは、自分では意識しないでいると、見過ごしてしまう事があります。
以下の状態がないか定期的にチェックを行いましょう。
【身体的な変化】
疲れやすくなった
頭痛や肩こりが増えた
食欲の変化や睡眠障害がある
【感情や思考の変化】
イライラしやすくなった
些細なことで落ち込むようになった
仕事に対する意欲が低下している
【行動の変化】
趣味や楽しみにしていたことへの興味が薄れた
人との交流を避けるようになった
アルコールや喫煙量が増えた
厚生労働省サイトの「5分できる職場のストレスセルフチェック」もやってみましょう! https://kokoro.mhlw.go.jp/check
より詳しく知りたい場合は下記の記事を参考にしてください⇩
事業所によるバーンアウト予防例
バーンアウトを防ぐケアはしっかり考えないとね
- 定期的な面談とサポート体制の構築
- 労働環境の改善と業務の効率化
- 職場コミュニケーションの促進
- 心のケアサポート
面談とサポート体制の構築
まずは悩みを聞かないとね
個別面談の例
面談担当者は以下のようなアプローチを取ります。
【定期的な面談】
ストレスサインが出てからでは、バーンアウトを予防するのが遅くなる場合があります。
半年に一回など定期的に面談を行うようにしましょう。
【聞くこと事を重視する】
面談というと、堅苦しいイメージとなってしまいます。
目的は悩みを聞く事にありますので、できる限りスタッフに話をさせるようにしていきましょう。
間違ってもお説教のような面談にならないように…
話を聞いてもらいたいのよね…
より詳しく知りたい方は過去の研修記事を参考にしてください⇩
サポート体制の構築
未経験や経験の浅いヘルパーは仕事への不安が大きいことによるストレスがあります。
そのため、経験者のフォローが欠かせません。
全責任をかけられるとプレッシャーが凄いんだ
【ペアを組む】
経験豊富なヘルパーがしばらくの間、経験の浅いヘルパーの担当になります。
経験者が「メンター」となり、仕事・精神ともにサポートする役割を果たします。
私があとはフォローするから大丈夫!
労働環境の改善と業務の効率化
ICT化する事をお勧めするよ
ICT化とは、情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)を活用して業務や生活を効率化・改善することを指します。インターネットやクラウド、スマートフォンやタブレットの活用などがあります。
タブレットツールなどの導入
介護の現場でタブレットやスマートフォンを使うことで、仕事の効率化が図れます。
【記録の電子化】
- 紙の記録からスマートフォン入力に変更
- 書く時間が減り、時間を有効活用できる
【情報共有の迅速化】
- スタッフ間で即座に情報を共有できる
- 緊急時の対応がスムーズになる
【作業の標準化】
- よく行う作業の手順をマニュアル化できる
- 誰でも同じように効率よく仕事ができるようにする
【データ分析の活用】
- 蓄積されたデータを分析し、ケアの質を向上
- 利用者の状態変化を早期に発見できる
これらの取り組みにより、介護スタッフの負担が減り、ストレスも軽減できる可能性があります。
職場コミュニケーションの促進
一人で何でも解決しないようにしないとね
定期的なカンファレンスコミュニケーション
スタッフ間の交流や情報共有は重要な項目の一つです。
定期的なカンファレンスコミュニケーションにより、負担がかかり過ぎているスタッフがいないかなど確認する事ができます。
ケアカンファレンスとか会議っていうと堅苦しくて嫌になるけど、コミュニケーションだったら、気が楽よね。
【ケアについて話し合うカンファレンスコミュニケーション】
- クレームが多い(セクハラ・モラハラ含む)利用者に対する対応の確認
- 利用者さんの状態や問題点を共有
時間がないからといって、放置してはいけないよ。
週に10分でもいいから職員を守る為にも必ず行おう。
会議とかカンファレンスといった堅苦しい言い方では、スタッフも気構えてしまいます。コミュニケーションをとるものと捉えてみましょう。お茶でも飲みながらざっくばらんに短時間で行うのがコツです。
心のケアサポート
専門家の意見もしっかり取り入れよう
専門家によるカウンセリング
心の悩みに関しては、専門家の意見も積極的に取り入れる必要があります。
専門家によるカウンセリングを利用することで、介護の仕事で感じるストレスや悩みを軽減できるでしょう。
【産業医やカウンセラーとの面談】
専門家と話す機会がある
仕事のストレスや悩みを相談できる
【プライバシーの保護】
相談内容は秘密厳守
安心して本音を話せる環境
【心の健康をサポート】
ストレス解消法のアドバイスをもらえる
必要に応じて専門的な治療につなげる
専門家ってちょっとハードル高いわね…
産業保健サービスは無料で利用できる場合があるんだ
50人未満の事業所を対象として、※産業保健サービスを無料で提供しているので活用して下さい。
※産業保健とは、企業等が職場において「健康で安心して働ける職場づくり」を行なう活動のこと。
地域ごとに窓口があります。
ご利用にあたっては、地域産業保健センターへの事前申し込みが必要です。⇩⇩
厚生労働省【こころの耳】地域産業保健センター(地さんぽ)
https://kokoro.mhlw.go.jp/health-center
ほかにも研修資料がありますのでご利用ください。
まとめ
介護の現場では多くの困難があるため、人材確保が難しいとの話はニュースなどでもよく流れています。
バーンアウトがなぜ起きるのかについて理解をする事で、対策を事前に行う事ができます。
利用者への適切なサービス提供・事業の安全な経営のためにも、職員の身心をしっかり守り、職員が安心して働く施策がより重要となってきますので本記事を是非参考にしてください。