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※この研修資料は、特養・老健・介護医療院・ケアハウス・有料老人ホーム(介護付・住宅型)・サ高住・グループホーム・養護老人ホームなど、各種介護施設で共通して使用できる内容です。
なぜ介護施設で虐待防止が必要なのか
介護施設(老健・特養・グループホームなど)では、虐待防止研修が義務化されています。
これは職員を疑っているからではなく、むしろ“知らず知らずのうちに起こる虐待”を防ぐためです。
最近は、悪意ではなく知識不足や認識の違いから生じるケースが増えているため、
研修によって「気づき」を促すことが重要とされています。

✅利用者を虐待から守るためには
「見逃しやすいサインに気づく力」
「気づいたことを共有する力」
この2つがとても大切になります。

虐待は“特別な人だけが起こすもの”じゃないんだ。
忙しさや慣れの中で、誰にでも起こりうるんだよ。
厚生労働省でも虐待の背景には「職員個人の問題」だけでなく、
組織の体制、環境、人員の負担、申し送り不足など“複合的な要因” があることが指摘されています。
そのため、虐待防止研修の目的は、
「禁止行為を覚えること」ではなく、
- 声かけの仕方
- 介助のスピード
- 感情の扱い方
- 記録や申し送りの工夫
といった、日々のケアにすぐ反映できる知識と気づきを持つこと にあります。
虐待防止は “一部の職員だけ” が頑張れば良いわけではありません。
新人、ベテラン、非常勤、夜勤者など、誰が関わっても安定したケアが提供できるように、
チーム全体で同じ視点を持つこと が大事です。
では虐待について詳しく見ていきましょう。
虐待の種類と定義
虐待防止を考える上で、まず正しく理解したいのが「虐待の種類」です。
厚生労働省の『高齢者虐待防止マニュアル』では、虐待は大きく5つの種類に整理されています。
それぞれの定義と、施設現場で実際に起こりやすいケースを合わせて確認していきます。
身体的虐待
利用者の身体に傷や痛み、不快感を与える行為を指します。
例として、強い力での移乗、身体拘束に近い固定、叩く・つねるなどがあります。
・急いでいるときに強めに腕を引いてしまう
・立位保持の際に支え方が粗くなる
・「危ないから」とベッド柵を上げ続ける(身体拘束のリスク)
心理的虐待
言葉・態度・表情などで、利用者の心を傷つける行為です。
無視、怒鳴る、威圧的な態度、子ども扱いなどが含まれます。
・忙しさから声のトーンがきつくなる
・否定的な言葉が増える(「また?」「何回言わせるの」など)
・申し送り時に本人の前で悪口のような話し方をしてしまう

言葉って、一度出ると戻せなくなるのよね。
職員は悪気がなくても、利用者さんには強く響いちゃう。
性的虐待
不必要な身体接触、プライバシーを損なう行為などがこれに当たります。
性的意図がない場合でも、配慮の欠如が誤解を生むことがあります。
・入浴介助で不適切な声かけや態度
・排泄介助でプライバシーを確保しない
・同性介助への意向を無視する
経済的虐待
お金や物品の管理を不適切に扱うことです。
勝手に財布を扱う、本人の同意なく買い物をするなどが含まれます。
・本人の確認を取らず、家族だけの判断で金銭を扱う
・小さな金額だからと軽く扱ってしまう
・私物を混ざったまま保管し、紛失トラブルになる
ネグレクト(放置)
必要なケアを提供しないこと。
無視と似ていますが、「本来するべきケアを行わない」という点がポイントです。
・排泄の訴えにすぐ対応できず放置
・食事のサポートが必要なのに“自立だから”と見守りすぎる
・ナースコールへの対応が遅れる

“ちょっと待っててね”が積み重なると、ネグレクトと捉えられることもあるんだ。
これら5つの虐待は、意図的に行われる場合もあれば、
「忙しさ」「慣れ」「思い込み」など、誰にでも起こりうる状況 の中で発生することもあります。
なぜ介護施設で虐待が起きるのか
虐待は「一部の職員だけが起こす特別な問題」ではありません。
厚生労働省の資料でも、虐待の多くは 複数の要因が重なって起こる とされています。

ここでは、施設で虐待が発生しやすくなる背景を4つの視点から整理していきます。
利用者側の要因
認知症の症状、混乱、不安、拒否的な行動などが背景にあることがあります。
上記から、職員の介助が難しくなる場面が増え、
それがストレスとなって不適切な関わりにつながります。
🔻具体例
・興奮状態で利用者から叩かれる
・何度も同じことを尋ねられる
・急に大声を出される
職員側の要因
職員のストレス、疲労、経験不足、価値観の違いなどが背景にあります。
特に人手が少ない日や、忙しい時間帯は気持ちに余裕がなくなりやすく、
無意識のうちにきつい言い方や乱暴な動作になってしまうことがあります。
🔻具体例
・疲労が重なり、声を荒げてしまう
・経験不足から介助方法が分からず、強引な対応になる
・自分の価値観を押し付けてしまい、利用者の希望を尊重できない

“忙しさ”は誰にでもあるけど、そのままにすると不適切な関わりへつながりやすいんだ。
組織(チーム)側の要因
申し送りや情報共有の不足、教育体制の弱さ、相談しづらい環境など、
個人ではなく組織の問題 が影響することも多くあります。
🔻具体例
・新人への指導が曖昧
・言いにくい雰囲気がある
・判断が職員ごとにバラバラ
これらは職員本人の問題ではなく、
“仕組みとして整っていない” ことが原因です。
環境要因
夜勤帯、人員不足、緊急対応が続く場面など、
ケアの質が低下しやすい状況 が重なると、
不適切な関わりが起きやすくなります。
🔻具体例
・夜勤で応援が来ない
・食事・入浴のピークが重なる
・休憩が十分に取れない日が続く
環境が整っていない場合は、
どれだけ良い職員でも負荷に耐えきれず、誤った対応をしてしまう可能性があります。
虐待が起きる原因まとめ
虐待は「個人が悪い」ではなく、
利用者 × 職員 × 組織 × 環境 の複合的な要因で起こるものです。
ケアの質を維持するためには“誰かを責める”のではなく“チーム全体で改善する視点”が欠かせません。
今日から実践できる介護施設での虐待防止
虐待防止は「特別な仕組み」ではなく、
日々のケアの小さな積み重ね で実現できます。
ここでは、忙しい現場でもすぐに実践できるポイントを
5つの視点から整理します。
声のトーンを意識する
介助の前に 一呼吸おいて、ゆっくり声をかける だけで、
利用者の反応は大きく変わります。
・名前を呼んでから始める
・短く・はっきり・穏やかに
・否定語を減らす(「また?」ではなく「大丈夫、一緒にやりましょう」)

声のトーンを変えるだけで、利用者さんの安心が全然違うわね!
「説明 → 予告 → 行動」の順番を徹底する
利用者にとって、
何をされるかわからない不安 は大きなストレスです。

介助の基本手順
- いま何をするのか説明する
- どの部分に触れるのか予告する
- ゆっくり行動する
特に入浴・排泄介助では、
この3ステップが安全と尊厳の要になります。

“いきなり触られたら、誰でもびっくりするよね。
「選択肢」を示して本人の意思を尊重する
小さなことでも選択肢を示すことで、
利用者は「自分で決められた」という安心感を得られます。
🔻具体例
・トイレ、今行きますか? それとも5分後にしますか?
・上着はこのまま? それとも着替えますか?
・食事は小盛りがいいですか?
これだけで拒否的な行動が減ることもあります。
“忙しい時ほどゆっくり” を意識する
皮肉に聞こえるかもしれませんが、
忙しい時こそ事故や不適切な関わりが起きやすい。
だからこそ
「1回だけ深呼吸をする」
「動作をゆっくりにする」
というシンプルな行動が予防策になります。
“1人で抱えない” ことを徹底する
虐待防止には チームで支える体制づくり が欠かせません。
・困った利用者がいたらすぐ共有する
・対応に迷ったら先輩に相談する
・記録に残すことで、組織でも支えられる
「頑張りすぎる人」ほど抱え込みやすいので注意が必要です。

“私がなんとかしなきゃ”は危険信号なのね。
今日からできる小さな一歩
虐待防止は「特別な研修」よりも、
日々のケアを丁寧に積み重ねること が何よりの予防につながります。
・声のトーン
・説明の仕方
・動作のスピード
・選択肢を示す
・相談しやすい環境づくり
どれもすぐに始められることばかりです。
よくある場面のケーススタディ
介護現場で起こりやすい場面を取り上げながら、
「どこに虐待リスクがあるのか」「どう改善すべきか」を具体的に整理していきます。
排泄介助で急かしてしまう
よくある場面
トイレ誘導の時間帯。
利用者がなかなか立ち上がれず、職員がつい
「早くお願いしますね」
と言ってしまう。
これは本人にとってプレッシャーとなり、
心理的虐待に近い関わりになってしまうことがあります。
改善ポイント
・立ち上がりの動作はゆっくり待つ
・「ゆっくりで大丈夫です」と安心の声かけ
・次の動作を予告する

“急がせる言葉”は想像以上に利用者を不安にさせるんだよ。
入浴介助で無言の作業になる
よくある場面
忙しいとつい
・声がけ不足
・作業が手早くなる
・利用者が不安そうな表情
となってしまいがちです。
しかし、無言で身体に触れるのは、
本人からすると「何をされるかわからない」ストレス が大きくなります。
改善ポイント
・「髪を洗いますね」など部位を予告
・手のひらで包むような触れ方
・目線を合わせて笑顔を作る

入浴は特に安心できる空気づくりが大切!
食事介助でペースが速すぎる
よくある場面
・食事の時間が押している
・複数の利用者に対応中
・ついスプーンを早く口元へ運んでしまう
これも無意識の身体的虐待につながるリスク。
改善ポイント
・一口ごとに咀嚼と飲み込みを確認
・本人のペースを尊重する
・「次、食べますか?」と選択肢を渡す

急いでると、ついペースが早くなっちゃう…。
起床介助で感情的になってしまう
よくある場面
朝「起きたくない」と拒否が出たときに、職員が疲れているとイライラしやすい。
「何回言わせるんですか」
などの言葉は心理的虐待につながる。
改善ポイント
・拒否の理由を確認する
・痛み・眠気・不安など背景を探る
・「5分後にもう一度来ますね」と選択肢を提示

“起きたくない” には理由があるんだ。まずは理由を聞いてみよう!
対応が難しい利用者を“放置”してしまう
よくある場面
・叫び声が多い方
・興奮しやすい方
・拒否が強い方
どうしても後回しにしてしまい、
結果として ネグレクトにつながる ことがある。
改善ポイント
・短時間でも様子を見に行く
・担当を固定せずローテーションで
・対応困難時はチームで共有

“手が空いたら行こう”は危険ね。少しでも関わりを持たなくっちゃ。
ケーススタディのまとめ
虐待につながる行動の多くは、
悪意ではなく “忙しさ・焦り・慣れ” の中で起きる 行動です。
小さな習慣を変えるだけで、利用者も職員も安心できる環境が作れます。
介護施設で虐待が疑われたときの対応フロー
虐待が疑われた場面に遭遇した職員は、
「判断を迷っている時間」が最も危険 です。
虐待が起きた可能性がある場合、
施設として速やかに動けるよう、
ここでは明確な対応フローを整理します。
気づいた時点で “すぐ共有” する
虐待の兆候を見つけたら、
まずは 直属の上司またはリーダーに即時報告 します。
兆候の例
・身体に不自然なあざ
・拒否の強さが急に変わった
・特定職員との関わりを嫌がる
・泣く・怯える・興奮が増える

“気のせいかも…” と思っても共有するのが大事だよ。迷ったら報告!
記録を残す(事実と時系列)
虐待の判断は 感情ではなく事実で行うため、
・見たこと
・聞いたこと
・感じた違和感
を“主観を入れずに”記録します。
記録のポイント
・時刻
・状況
・場所
・具体的な行動
・利用者の発言
・職員の対応内容

“なんとなく様子がおかしい” も立派な情報なんだよ。
管理者が事実確認を行う
報告を受けた管理者または虐待防止委員会が、
・本人への聞き取り
・周囲の職員への聞き取り
・記録の確認
を行い、事実関係を整理します。
ここで大事なのは
「誰かを責める」ための確認ではない
ということです。
必要に応じて外部機関へ通報
虐待の疑いが濃厚、または緊急性が高い場合は、
法律に基づき 速やかに通報 を行います。
通報先
・市区町村(高齢者虐待防止担当窓口)
・地域包括支援センター
・場合によっては警察
通報は「虐待確定」ではなく
“疑いの段階” で行う ものです。

通報は、利用者さんを守るための仕組みなのよね。
✅介護施設にある高齢者虐待防止マニュアルに従ってください。
職員・利用者への支援体制を整える
虐待が疑われた場合、
施設は利用者だけでなく、
関わった職員のメンタル面や教育面にも配慮します。
必要な支援
・該当職員へのフォローアップ
・教育・研修の見直し
・利用者の安全確保
・配置転換などの調整など
再発防止策を組織全体で共有
事実確認と通報の後は、
なぜ起きたのか(要因分析) を行い、
施設内で対策を共有します。
再発防止の例
・申し送りの仕組み改善
・マニュアルの更新
・相談しやすい環境づくり
・研修の強化

“ミスを責める”じゃなくて“仕組みを良くする”が再発防止のポイントだよ!
フローまとめ
虐待防止は
「気づく → 報告 → 記録 → 確認 → 通報 → 再発防止」
という明確な流れがあります。
大切なのは、
職員が“1人で判断しない仕組み”を作ること。
迷ったら共有し、組織全体で守っていく体制が求められます。
まとめ
虐待防止は、
特別な誰かが行うものではありません。
今日一緒に働いているすべての職員が、小さな行動から始められる取り組みです。
・声のトーン
・ゆっくりとした動作
・説明と予告
・選択肢を示す
・相談しやすい環境づくり
どれも “忙しい現場” だからこそ大切にしたい視点です。

小さな一歩の積み重ねが、利用者さんの安心と、職員の働きやすさにつながるのね!
虐待は「起きてから対応する」のではなく、
“起きない環境をつくること” が本質的な防止策。
そのために、
チームで支え合い、相談し合える職場づくりが重要です。
この記事が、現場で働く皆さんの
“気づき” と “良いケアのきっかけ” になれば幸いです。
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【施設介護スタッフ向け】
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▼参照資料
・厚生労働省「高齢者虐待防止マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000200478_00003.html
・介護保険施設等における事故予防及び事故発生時の対応に関するガイドラインについてhttps://www.mhlw.go.jp/content/001569590.pdf
・認知症施策https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html
・高齢者虐待防止と権利擁護例:東京都
https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/gyakutai/torikumi/
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