荒川流域防災まちづくりタウンミーティング参加レポート|防災士・主任ケアマネが語る要支援者避難の現実

※本ページはプロモーションが含まれています。ご了承ください。

荒川流域防災まちづくりタウンミーティングとは

このミーティングでは、

荒川が氾濫したとき、みんなが避難できる仕組みを考える


をテーマに

  • 行政・政策側: 国会・区議会の議員、国土交通省・区の防災担当者
  • 専門組織: 防災に取り組む団体・NPO
  • 地域住民: 防災に興味のある方、荒川流域(東京・埼玉など)の住民

など様々な立場の方が集まりました。

荒川流域防災まちづくりタウンミーティングの告知チラシ。2026年1月31日、赤羽会館で開催。防災と住民対話をテーマにした参加無料のイベント。

【開催概要】

  • 開催日時: 2026年1月31日(土) 9:30-11:30
  • 場所: 赤羽会館4階 大ホール(東京都北区赤羽南1-13-1)
  • テーマ: 住民の声を議会と行政にとどける対話会
  • 主催: 荒川流域防災プロジェクト
  • 後援: 東京都北区

【当日の様子】

荒川流域防災まちづくりタウンミーティング会場入口で撮影した参加記録の写真(赤羽会館)
荒川流域防災まちづくりタウンミーティング当日、赤羽会館にて撮影

※私も主任ケアマネ・防災士の立場でこのミーティングに参加し、避難行動について具体的な意見を述べました。

同じテーブルで議論された意義

今回のミーティングでは、防災・行政・福祉・当事者が同じテーブルにつき、

「考えていること」「現場の現実」が直接ぶつかる場でした。

これは防災を“リアルな実装”に進めるうえで重要な構造だと感じます。

荒川氾濫の現実

第1部では、

  • 衆議院議員北区危機管理課:荒川の治水計画
  • 荒川下流河川事務所:被害想定
  • 肢体不自由者・聴覚障害者:災害弱者のリスク

が共有されました。

特に印象的だったのは、

「想定されている水害は、生活が成立しないレベルの規模」

という点です。

【会場の様子】

荒川流域防災まちづくりタウンミーティングの講演スライド(北区危機管理室 防災・危機管理課)
本記事への写真掲載については、北区危機管理室(防災・危機管理課)より事前に了承をいただいています。
荒川流域防災まちづくりタウンミーティング会場で地域メディア(J:COM東京板橋)が撮影している様子
タウンミーティング当日、会場では地域メディア(J:COM東京板橋)による撮影も行われていました。

グループディスカッションで出た主な論点

第2部では、

  • 取り残される恐れがあるのは誰か
  • なぜ取り残されるのか
  • 全員が避難するために必要なこと

というテーマで議論しました。

私はケアマネとして現場を知る立場から、

「移動手段がない」

「介助者がいない」

という物理的な壁の大きさを改めて実感。

取り残される可能性が高い人

・独居高齢者
・要介護高齢者
・避難を諦めている人
・障害のある方
・外国人世帯
・情報弱者

なぜ取り残されてしまうのか

  • 避難情報が届かない
  • 届いても判断できない
  • 移動手段がない
  • 介助者がいない
  • 避難所までたどり着けない

全員が避難するために必要なこと

・水平避難だけに頼らず垂直避難を前提に考える
・誰がどこまで支援できるのかを事前に整理する
・平時から役割分担を明確にする(避難訓練)

仕組みづくりはこれから

このミーティングでは避難の重要性や課題は示されたものの、

  • いつ
  • 誰が
  • どこへ
  • どう動くのか

という仕組みづくりは、まだまだ詰めていく必要があるなと感じました。

✅そのためにも、個別避難計画の作成を前に進めることが不可欠だと感じました。

計画の制度上の位置づけ

避難支援には2つの計画があります。

地域防災計画(要配慮者避難計画)

→ 自治体の義務

市区町村は必ず作成しなければならない。

個別避難計画

→ 努力義務

実際に作ろうとすると本格的に整理する必要があり、 簡単には作れないほど重い作業です。

✅個別支援計画は全国的に作成が遅れ、作成率2割以下の自治体が半数以上という現状があります。

防災士・主任ケアマネとして感じた事

個別支援計画が進まない背景には、さまざまな要因があります。

一例

医療依存度の高い人への対応をどうするのか?慎重な検討が続くうちに、結果として計画作成が後回しになってしまうことがあります。


➤こうした検討が長引き、個別支援計画そのものがない状態が続くことは、それ自体が大きなリスクです。

『水害は、個別支援計画の完成を待ってくれません』

最低限必要な整理を先に行うこと

荒川氾濫のような水害では、

高齢者などは避難所へ向かう水平避難が間に合わないことも想定され、

現実的な前提は建物の上階へ逃げる垂直避難になると考えます。

だからこそ、最初からすべてを完璧に慎重に決めようとするのではなく、


まず命を守るために最低限必要な整理を先に行うこと

が重要だと考えています。

少なくとも、

・階段を上がれるのか
・介助があれば上階へ行くことが可能なのか
・完全に動けないのか

といった点だけでも共有しておくことで、
災害時の対応は大きく変わります。

ケアマネとしてできる事


ケアマネジャーは日常業務を通じて、


利用者の生活状況や身体状況に関する『重要な情報』を常に把握しています。

そのため、


行政が整理した簡潔な確認項目に対して、


ケアマネが「持っている情報を提供する」形で個別支援計画の作成に関わることは可能だと考えています。

具体的には、

・水害リスクの高い地域に限定して進める
・行政が計画の土台を整理する
・ケアマネ等には短時間で答えられる確認のみを依頼する

といった進め方です。

✅この進め方なら、現場負担を抑えながら、個別避難計画を前に進めることができると思っています。

なお、『個別支援計画の作成のすべてをケアマネジャーに委ねる形は現実的ではありません』


行政においても多くの調整と時間を要する計画であり、ケアマネジャーの判断や責任によって作成することは困難です。

このミーティングが示した今後の可能性

今回のミーティングは、防災と福祉を現実的につなぐスタート地点だと感じました。

・地域包括支援センター向け防災研修
・在宅要介護者向けの具体的な避難支援モデル
・行政と福祉職が連携した要支援者避難の実証

こうした展開につながる可能性を強く感じました。

✅ケアパワーラボは高齢者・高齢者のご家族向けに防災教室を実施しています。

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まとめ|防災は「制度」ではなく「実装」で評価される

防災は、計画書や名簿があるだけでは機能しません。
現場で実際に動ける形になったとき、初めて意味を持ちます。

今回のミーティングは、
防災と福祉がリアルに交差し、実装に近づいた貴重な場でした。

この積み重ねが、
「誰も取り残さない防災」につながっていくと確信しています。

✅このタウンミーティングで共有された課題は、地域だけでなく訪問介護事業所にとっても他人事ではありません。
実際に、訪問介護事業所「あったか介護」では、この課題を踏まえたBCP研修を実施しています。
研修内容については、以下の記事で詳しくまとめています。
【あったか介護様 BCP研修記事】

✅高齢者とその家族を守るための準備を、印刷して使える形でまとめています。

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ぽっか

ケアパワーラボ代表|介護・福祉研究所|BCP研修講師(例:株式会社七曜会様など) 複数の介護事業所での研修・訓練実績あり
鍼灸治療院⇒デイサービス相談員⇒ケアマネ⇒医療相談員(MSW)⇒主任ケアマネ
現場で10年以上の経験を持つ現役ケアマネ。
現在は訪問介護事業所を中心にBCP研修・防災研修の講師を担当。
資格 主任ケアマネ・社会福祉士・防災士(日本防災士会埼玉支部会員)・防災防火管理責任者・鍼灸師・食品衛生責任者 

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