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【サ責・経営者の方必見】職場で使える労働法の知識②

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※本ページはプロモーションが含まれています。ご了承ください

時間外労働(残業)について

36(さぶろく)協定

労働時間の基本は、1日8時間、週40時間です。職員に基本の時間を超えて働かせる場合には、「36協定書」を労働基準監督署に提出する必要があります。

36さぶろく」とは労働基準法第36条をもとに作成が義務づけられているからです。

36協定書は、時間外や休日での労働を行うため労使協定になります。

労使協定とは使用者と職員の間で結ぶ特定の合意した内容をいいます。使用者は労働組合が存在する場合は労働組合と、ない場合は職員の過半数を代表する者と労使協定を結びます。

名ばかり管理者と管理監督者について

以前、某有名飲食チェーンが店長に残業代で裁判を起こされた件について、マスコミで大きく報道されたことからご存じの方も多いかと思います。

一般的には管理者、責任者は残業代を払わなくても良いと思われています。しかし、管理者や責任者が労働基準法の管理監督者に当てはまらないと残業代を支払う必要があります。

参照:厚生労働省(管理監督者の範囲の適正化)(パンフレット)「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」

年次有給休暇

年次有給休暇とは、職員が入社してから

6カ月以上、継続勤務し

決められた労働日に8割以上出勤した

ことを条件に与えられるものです。

したがって、職員で上記の条件を満たせばパート(アルバイト職員も取得することができます。

年次有給休暇の付与日数

最初は6カ月10日。その後、1年ごとに日数が増え7年目には年20日が付与されます。

パート(アルバイト)の場合には、労働日数によって付与される日数が決まっています。

労働者の時期指定権

時期指定権とは、職員は原則として自由に有休休暇をとることができるとするものです。

したがって、申請して会社が認める認めないというレベルのものではありません。

しかし、この後お話する会社が時期変更権(日にちを変える)を行使するかという問題があるため、事前申請は基本的には必要です。

ちなみに、有休休暇の申請用紙に申請理由を書く欄がある場合には、上記のように認めないという扱いはできないため、理由によって認めないということも出来ません。

また、理由の記載についても強制できないので注意しましょう。

会社の時期変更権

会社は、年末年始に忙しい、人が営業日に全くいなくなる等、職員に年次有給休暇を付与することによって「事業の正常な運営を妨げる場合」には他の時季(日にち)に変更することができます。

「単に忙しい」との理由ではNG。替わりの職員が探してもいない、その日その人でないと業務がまわらない等の理由が必要です。

介護業界では「退職前に残っているの有休を全部消化しようと思ったら、半分しかとらせてもらえなかった。」とか「退職が決まった時に代わりの職員がいないからという理由で、有休をとらせてもらえず、退職日まで仕事をしていた。」などの話をときどき耳にしますが、会社に年次有給休暇をそもそも取得させないという選択肢はないのでご注意を

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その他の制度

以下の制度を利用するためには、職員全員が対象となるのではなく、それぞれ条件があります。

(該当するかどうかについては会社や依頼している社労士さんなどに確認するようにして下さい。)

産前・産後の休業

①出産予定日前6週間(双子以上は14週間)、産後8週間は仕事をさせてはならない。

出産育児一時金の制度があるが、原則病院に支払われる。

③出産のため、仕事を休み、会社から給料が支払われないときには、決まった期間に一定の金額がもらえる(出産手当金)。

育児休業

①子どもが1歳になるまで、仕事を休むことができる。(保育所に入れない等の理由があるときは延長可能)

②子ども1人について、原則1回のみ。

③育児のため、仕事を休み、会社から給料が支払われないときには、決まった期間に一定の金額がもらえる(育児休業給付金)。

介護休業・介護休暇

要介護状態にある家族を介護するために職員は介護休業を1人につき3回まで最大93日、取ることができます。介護休業を利用した場合には、介護休業給付を受けることができます。

1日だけの場合などは、1時間単位で取れる介護休暇制度があり、家族1人につき年間5日利用可能です。介護休暇制度を利用した場合には、制度上もらえる給付はありません。

要介護状態とは

負傷、疾病または身体上、精神上の障害により

2週間以上常時介護が必要な状態

参照:介護休業制度(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/index.html

最後に

現在、介護業界は圧倒的な売り手市場になっています。

現場の職員にとって「給料(時給)が高いこと」はもちろん大切ですが、「職場環境の良さ」や「管理者や経営者が自分たち(職員)を大事にしてくれている」ことが仕事をつづける動機(モチベーション)になります。

また、職場環境の良さが、良いうわさを呼び、職員の新規採用につながるかもしれません。

これらの制度について、管理者や経営者がしっかりと理解し、利用しやすい環境を作っていくことがとても重要になってくると思います。

このプログのご利用によって、いかなるトラブルや損失、損害が発生した場合でも管理人は一切責任を負わないものとします。

情報が更新されたり、とらえ方の違いや私の知識や理解不足などの可能性が十分にあります。最終的にはご自身で、監督する行政機関等にご確認頂くようにお願いします。

ダンテ

介護福祉士、社会福祉士、主任ケアマネの資格を持ち、デイサービスの施設長、地域包括支援センターの職員(社会福祉士)をへて今は居宅の主任ケアマネ。介護業界20年。
趣味 筋トレ 釣り 投資(投資歴7年)
妻は現役介護福祉士。介護歴13年。兄弟サイトhttps://care-power-lab.online/を運営しています。主に介護に関することを発信しています。

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